京セラがSIMフリーのタフネススマホ「DURA FORCE PRO」を逆輸入という形で日本向けに発売しました。
au向けには毎年「TORQUE」シリーズを発売している京セラですが、SIMフリータフネススマホとしては2014年の「TORQUE SKT01」以来ほぼ4年ぶりの新端末となります。
「DURA FORCE PRO」とは
京セラが海外で販売している、IP68等級の防水防塵機能を備えたタフネススマホです。
ただ耐久性能が高いだけでなく、アウトドアやスポーツなどのアクティビティでも活躍するアクションカメラ機能も備えています。
北米では2016年に発売された端末で、4大キャリア(AT&T、Sprint、T-Mobile、Verizon)全てで取り扱われるほどの人気があり、警察や多くの企業などで採用されていることからも実力は折り紙つきです。
外観
いかにもタフネススマホといった、マッシブなデザインですね。
前面のボタンは物理ボタンとなっており、手袋をはめていても押しやすくなっています。
スペック
SoC(CPU)にはミドルレンジのSnapdragon 617が搭載されており、メインメモリが2GB、ストレージは32GBとなっています。北米では2016年に発売された端末ということもあり、今となっては控えめなスペックですが、タフネススマホとしては全く問題ないと思います。
LTEの対応バンドを見る限りは、docomoとSoftBankに対応しているようです。au系が非対応となっているのは、au VoLTEの対応コストの問題でしょうか。
カメラはリア側がデュアルカメラとなっており、1300万画素のメインカメラと200万画素のスーパーワイドアクションカメラという仕様です。この辺りはau向けの「TORQUE G03」とほぼ同じ仕様になっています。
OS | Android 7.1.2(Nougat) | |
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Soc(CPU) | Snapdragon 617 オクタコア(1.5GHz×4、1.2GHz×4) |
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メインメモリ | 2GB | |
ストレージ | 32GB | |
外部メモリ | microSDXC(最大256GB) | |
対応SIM | nano SIM | |
対応バンド | 4G LTE 1/2/3/4/5/7/8/12/19/20/29 3G W-CDMA 1/2/4/5/6/8/19 2G GSM 850/900/1800/1900MHz |
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バッテリー容量 | 3,240mAh | |
連続通話時間 | 1,030分(VoLTE) | |
待受け可能時間 | 690時間 | |
ディスプレイ | 5インチ FHD(1920×1080) | |
カメラ | メイン | 1300万画素 |
ワイド | 200万画素 | |
イン | 500万画素 | |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac | |
Bluetooth | Ver 4.2 | |
その他 | NFC、指紋センサー 耐衝撃(MIL-STD-810G Method516.7:Shock-Procedure IV) 防⽔(IPX5/IPX8)/防塵(IP6X) |
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重量 | 230g | |
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 73.4 × 148.4× 12.9mm |
MIL-STD-810Gの16項目に準拠
米国国防総省が定める耐久試験MIL-STD-810Gの16項目に準拠しており、さらに京セラ独自の試験(高さ1.5mから26方向で合板への落下試験、2.0mの水中に30分間浸漬する試験)もクリアしています。
【米国国防総省の調達基準に準拠した16項目の耐久試験】
1 | 風雨 | 5 | 衝撃 | 9 | 高温動作 | 13 | 温度衝撃 |
2 | 浸漬 | 6 | 振動 | 10 | 低温動作 | 14 | 低圧動作 |
3 | 粉塵 | 7 | 太陽光照射 | 11 | 高温保管 | 15 | 塩水噴霧 |
4 | 落下 | 8 | 湿度 | 12 | 低温保管 | 16 | 氷 · 低温雨 |
グローブタッチ/ウェットタッチ
グローブをしていても、雨などで画面が濡れていても操作を行うことができるタッチパネルディスプレイを搭載。
物理ボタン/ダイレクトボタン
手袋をはめていても押しやすい大型の物理ボタンを搭載。また本体側面にダイレクトボタンが用意されており、トランシーバーのPTTボタンやアプリ起動ボタンとして使えます。
指紋認証センサー
本体側面の握ったときに親指がかかりやすい位置に指紋認証センサーが配置されています。
大音量フロントデュアルスピーカー
前面下部に2つのスピーカーを搭載。100dB以上の大音量で、騒音のある屋外でも聞き取りやすくなっています。
ワイドビューアクションカメラ
メインカメラとは別に、135度のワイドアングルで撮影可能な200万画素のカメラを搭載。
トランシーバー機能
有償のサービスに加入することで、4Gネットワークを利用したトランシーバー機能を使うことができます。
卓上ホルダ(別売)
最近のスマホとしては珍しく卓上ホルダ(別売)が用意されているので、充電のたびにUSBコネクタにケーブルを挿す必要がありません。
ワイヤレス充電じゃないのが残念なところですが、カバーの開け閉めから解放されるだけでも嬉しいですね。
気になったところ
メインメモリ
北米向けの「DURA FORCE PRO」のスペックを見てみると、メインメモリ(RAM)が3GBとなっているのですが、日本国内向けは2GBとなっています。
ゲームなど多くのメモリを消費するアプリを使わなければ2GBでも十分だと思いますが、3GBだったものを2GBに減らすというのは理解に苦しみます。
トランシーバー機能
トランシーバー機能を前面に押し出していますが、これってダイレクトボタンがトランシーバーのPTTボタン(通話用ボタン)として使えるというだけなんじゃないでしょうか。
トランシーバー機能自体はアプリで実現していると思われるので、正直言ってそこまでアピールするほどのことかなと思ってしまいました。
最近では「Zello」という無料トランシーバーアプリがあるので、これをインストールすれば他のスマホでもトランシーバー機能が使えます。
最近ではオンキヨーから発売されている「CAT S40」や海外タフネススマホの「Ulefone Armor 2」にプリインストールされていました。


まとめ
日本国内向けの「DURA FORCE PRO」ですが、業務で使用される方をメインターゲットとして想定しているようですね。
キャッチコピーからして「現場主義、日本上陸。」ですし、京セラのサイトを見ても「建築・土木」「運輸・配送」「製造」などビジネスでの利用シーンしか出てきません。
またアクションカメラ機能が搭載されているのに、それについてはほぼ触れられていません。
多分、アウトドアやスポーツといったシーンでは「TORQUE」で、ビジネスの現場では「DURA FORCE PRO」というように住み分けを狙っているんだと思います。
そう考えれば、ミドルレンジ性能のSIMフリー端末としては高めの74,000円(税込79,920円)という価格も納得がいきます。
個人的には気になる端末なんですが、ハイエンド端末が購入できる価格ということでちょっと迷っています。
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