ミニファミコンのピクセルパーフェクトってどういう意味?

ゲーム

こんにちは、レトロゲーム大好きAibarです。

「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(以降ミニファミコン)の販売が再開されましたね。これを機にミニファミコンを購入した方も多いんじゃないでしょうか。

今回は、ミニファミコンをプレイした際に誰もが気になるであろう「ピクセルパーフェクト」について説明をしようと思います。

ミニファミコンの画面モードには「アナログテレビ」「4:3」「ピクセルパーフェクト」という3つのモードがありますが、このなかで「ピクセルパーフェクト」の解説を読むと以下のように記載されています。

正方形のピクセルで構成された映像

この解説を見る限りは、「ピクセルパーフェクトとは正方形のピクセルで表示すること」だと読めますね。

ピクセルパーフェクトとは

元はデザイン関連の用語で、以下のような意味があります。

Photoshopなどのデザインとブラウザの表示を、1pxの狂いもなく合わせること。(引用:優クリエイト – デザイン用語集)

一方、ミニファミコンでの「ピクセルパーフェクト」とはファミコンのグラフィックを、1ピクセル(ドット)も変えずにミニファミコンの画面上に再現するという意味で使われています。

要するに、ファミコンとミニファミコンで同じ画面を表示したら全てのピクセルが一致するということです。

ただ「正方形のピクセルで構成された映像」という記載とは内容が異なっていますね。

正方形のピクセルとは

ファミコンとミニファミコンの表示の違いから、なぜ「正方形のピクセルで構成された映像」という記載になったのかを説明していきます。

ミニファミコンの映像出力は720pと480pに対応していますが、使用することが多いであろう720p(1280×720)での出力を前提として説明します。

ピクセルの縦横比の違い

ミニファミコンの映像出力は16:9の画面比率で、解像度は 1280×720 ピクセルとなっているのでピクセルは縦横比が1:1の正方形となります。

$$(縦を1とした時の横の長さ)=\frac{720\times16}{1280\times9}=1$$

一方ファミコンは4:3の画面比率で、解像度は 256×224 ピクセルなので先ほどと同様の計算をしてみると以下のようになります。

$$(縦を1とした時の横の長さ)=\frac{224\times4}{256\times3}=1.1666..$$

この計算結果から、ファミコンのピクセルは縦が1に対して横が約1.17という横長の長方形となっていることが分かります。

実際のファミコンの解像度は 256×240 ピクセルですが、画面に表示されるのは256×224 ピクセルほどなので、256×224 ピクセルとしています。

ということはファミコンのグラフィックをそのままミニファミコンに持ってくると、ピクセルの縦横比の違いから横サイズが短め(\(\frac{1}{1.17}\approx0.85\)倍)になることが分かります。

実際にミニファミコンの画面モードを「4:3」から「ピクセルパーフェクト」に切り替えてみると、画面の横サイズが短くなるのが確認できます。

4:3

ピクセルパーフェクト

解像度の違い

ファミコンの解像度が 256×224 ピクセルなのに対して、ミニファミコンは 1280×720 ピクセルと解像度が高くなっています、そのためファミコンのグラフィックを単純にミニファミコンに表示すると、かなり小さく表示されてしまいます。

そこでミニファミコンではファミコンの1ピクセルを 3×3 ピクセルに拡大して表示することで画面の高さを最大限使うようになっています。

画面比率の違い(4:3 と 16:9)から画面の両サイドは余った状態になります。

この時の 3×3 の正方形ピクセルが「ピクセルパーフェクト」の解説に出てくる「正方形のピクセル」のことだと思われます。

つまり、「ピクセルパーフェクト」とはファミコンのグラフィックを 3×3 の正方形ピクセルで構成した画面モードということになります。

それじゃ「正方形のピクセル」じゃない画面モードがあるのか?ということが気になるところですが、実は「4:3」の画面モードがそれにあたります。

「ピクセルパーフェクト」と「4:3」の違い

ファミコンからそのままグラフィックを持ってきたのが「ピクセルパーフェクト」ですが、ピクセルの縦横比の違いで横サイズが短くなっています。それをファミコンの画面比率(4:3)に引き伸ばしたものが「4:3」の画面モードになります。

もう気づいている方もおられるかもしれませんが、4×3 の長方形ピクセルを使うことで画面の横サイズを伸ばしています。

ただ全てのピクセルを 4×3 のピクセルにすると、4:3 の画面比率以上に横サイズが長くなってしまうので、3×3 と 4×3 のピクセルを両方使うことでサイズを調整しています。

ミニファミコンの「4:3」の映像を拡大してみると、3×3 と 4×3 のピクセルが混在していることが分かります。

画像は「スーパーマリオブラザーズ」のタイトルの左下の山の部分を拡大したものです。「4:3」の方は黒のドットのサイズが異なっています。画像がにじんだようになっているのはキャプチャした画像をJPEGで取り込んでいるためです。

4:3

ピクセルパーフェクト

 

ちなみにもう一つの画面モードである「アナログテレビ」は 4:3 の画面比率に引き伸ばすと同時にフィルターをかけることで少しボケたような画質にしていると思われます。

気を付けたいこと

「ピクセルパーフェクト」の画面モードはファミコンのグラフィックをそのまま再現していますが、表示しているモニタの設定によっては映像が変換されてしまい正確に表示されていない可能性があります。

ミニファミコンの画面解像度は 1280×720 ピクセルですが、最近のモニタ解像度は フルHD(1920×1080 ピクセル)以上であることが多いため、画面いっぱいに表示する場合は画像が拡大(スケーリング)されることになります。

画像が拡大されるとモニタのピクセルとミニファミコンのピクセルが一致しなくなるので、せっかくの「ピクセルパーフェクト」の意味がなくなります。

昔のグラフィックのままくっきりと表示される「ピクセルパーフェクト」にこだわる方は、モニタの設定で「ドットバイドット」などの入力信号をそのまま出力するモードに切り替えておきましょう。

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